卒煙のお手伝い

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 7月に入ってタバコの値段が上がったのを機会に、そろそろ禁煙を考えはじめておられる方も多いのではないでしょうか?折りしも、平成18年4月より禁煙治療に対して保険適用が開始され、同年6月からは禁煙治療薬としてのニコチンパッチも保険給付の対象(注:施設認定を受けている医療機関でのみ)となりました。健康づくりをお手伝いすることが使命である私たちにとって、今こそ、禁煙をお考えの患者様といっしょになって、タバコから卒業(卒煙)する手助けをする時だと考えております。

 

 

 禁煙することによって数々の病気から体を守ることができます。禁煙は癌を予防できるだけではありません。動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、肺気腫、喘息などといった多くの重篤な、あるいはよくある病気を確実にかつ短期的に減らすことができるのです。禁煙によって社会全体の健康を推進することにつながるといっても言い過ぎではありません。

 

 

 断ちたくても断てないのが喫煙習慣です。喫煙者はまず、自分がニコチン依存症という一つの病気であることを認める必要があります。ニコチン依存症は「再発しやすいが、繰り返し治療することにより完治しうる慢性疾患」と捉えられています。病気にかかっているのですから、禁煙をするには自分の意思の力だけでは無理があり、当然サポートを必要としていいのです。自分は禁煙もできない意思の弱い人間だと思わずに、遠慮なく助けを求めていただきたいと思います。

 

 

 インターネット禁煙マラソン(http://kinen-marathon.jp/)を主宰しておられる高橋裕子先生によれば、コンビネーションセラピーという合理的な方法を取り入れることにより、禁煙の成功率をあげることができるということです。喫煙には、「ニコチン依存」と「条件反射」の2つの大きな要因があります。その2つの要因に対処するためにニコチン代替療法、喫煙要求をそらすための日常生活の工夫、再喫煙防止といったコンビネーションで治療をおこなうものです。

 

 

 患者様一人、一人の禁煙の道のりはそれぞれ違ったものでしょう。「禁煙を勧める」ということは、患者様を一人の人間として捉え、ありふれた健康問題に幅広く対応し、家族全体の健康をお手伝いしようと願っているわれわれ家庭医の大切な役割だと考えています。

文責:伴 彰子